コレシストキニンB(CCKB)レセプターは、不安との関連が以前より指摘されている。この関連についての詳細な脳内メカニズムの解明は、現在までのところ十分ではない。そこで我々はCCKBレセプターのノックアウトマウスを作成し不安との関連を明らかにしようとした。不安モデルとして明暗箱・恐怖条件付けテスト・高架十字迷路試験を用いた。明暗箱において明箱と暗箱の移動回数が、CCKBレセプターのノックアウトマウスがコントロールに比べて有意に増加していた。また高架十字迷路試験において頭部下垂がCCKBレセプターのノックアウトマウスがコントロールに比べて有意に増加していた。これらの結果は、CCKBレセプターのノックアウトマウスの不安の減少を示唆している。よってCCKBレセプターの刺激は、不安を惹起するものと考えた。
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