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2001 年度 実績報告書

精神分裂病と非定型精神病との探索眼球運動の相違について

研究課題

研究課題/領域番号 12770552
研究機関愛知医科大学

研究代表者

深津 栄子  愛知医科大学, 医学部, 助手 (70308964)

キーワード非定型精神病 / 精神分裂病 / 眼球運動 / 反応的探索スコア / 事象関連電位 / P300 / 満田久敏 / Leonhald
研究概要

満田久敏は、昭和17年に臨床遺伝研究から分裂病性精神病を定型分裂病と非定型精神病に類別し、両疾患が臨床的にも遺伝的にも独立した疾患であると報告した。すなわち、定型分裂病は慢性に経過して人格変化を来たすが、非定型精神病は急性に発症するもののほぼ寛解する。我々は、満田の非定型精神病概念を再検討するために、定型分裂病30例、非定型精神病30例、正常対照群50例で、横S字図形を用いた探索眼球運動を比較した。分裂病の探索眼球運動において、記銘課題時に注視点の動く範囲が狭く、また、比較照合課題時の念押しの質問に対する反応的な注視点の動き(反応的探索スコア)が少ないといった所見が報告されている。本研究の結果、記銘課題では、正常対照群と非定型精神病群はほぼ同じ値を示し、定型分裂病群のみ低い値を示した。一方、比較照合課題における反応的探索スコアでは、正常対照群が最も高い値を、定型分裂病群が最も低い値を示し、非定型精神病群はその中間の値を示した。さらに、精神生理学的相違から分裂病性精神病の異種性を検討するために、定型分裂病20例、非定型精神病23例、正常対照群23例の3群で、事象関連電位P300と横S字型図形による探索眼球運動を測定し、多変量解析を施行した。その結果、定型分裂病の約半数が、反応的探索スコアの最も低い群に分類したが、P300振幅の最も低い群と一致しなかった。また、定型分裂病と正常対照群の大部分は異なる群に分布した。一方、非定型精神病は、主に高振幅のP300と不安・抑うつ症状を伴う群に分布するものの、P300の低振幅を示す群にも認められた。以上の結果は、定型分裂病と非定型精神病とが異なる病態を示す疾患である可能性を示唆している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 深津栄子, 深津尚史, 関根建夫, 立花憲一郎, 須賀英道, 林拓二: "分裂病性精神病の精神生理学的所見に基づく多変量解析 -精神分裂病と非定型精神病の相違について-"精神医学. 44(1). 39-47 (2002)

  • [文献書誌] 深津尚史, 深津栄子, 関根建夫, 山下功一, 新井啓之, 林拓二: "非定型精神病の探索眼球運動所見"精神医学. 43(12). 1297-1304 (2001)

  • [文献書誌] E.Fukatsu, T.Sekine, N.Fukatsu, K.Tachibana, H.Suga, T.Hayashi: "Multivariate analyses of psycho-physiological data from schizophrenia and atypical psychoses"Neurol. Psychiatr. Brain Res.. 9. 41-48 (2001)

  • [文献書誌] Fukatsu N, Fukatsu E, Hayashi T: "Differences of exploratory eye movement between schizophrenia and atypical psychoses"Neural. Psychiatr. Brain Res.. 8. 69-76 (2000)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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