本研究では、PU.1に結合している新規タンパク質を以下に示す2通りの方法で単離・同定を試みた。 (1)酵母菌を用いたTwo-hybrid法: two-hybrid法により、インヒビンαと一部相同性を持つ未知のタンパク質とPU.1との結合が確認されていた。この未知のタンパク質をコードする遺伝子の全長cDNAの単離をMEL細胞から作成したcDNAライブラリーを用いて目指した。4クローンの遺伝子を単離するにいたったが、これらは、全て偽遺伝子でありまたMEL細胞より調整したpolyA RNAを用いたノーザン法、およびMEL細胞cDNA用いたRT-PCR法により、PU.1と結合する未知のタンパク質をコードする遺伝子は存在していないことを確認した。 (2)GST-PU.1columnによるアフィニティー精製法: 大腸菌内にてGlutathion S=transferase(GST)とPU.1との融合タンパク質を発現させ、このタンパク質をGlutathione Sepharoseへ結合させたる。これをアフィニティーカラムの支持体とし、MEL細胞抽出液を用いたアフィニティーカラムクロマトグラフィーにより、PU.1と結合するタンパク質の同定を試みた。数種類のタンパク質がPU.1に結合していることを確認した。現在、これらのタンパク質の同定をアミノ酸シーケンシングにより行っている。
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