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2000 年度 実績報告書

各種腎炎におけるオステオポンチンの関与について

研究課題

研究課題/領域番号 12770580
研究機関群馬大学

研究代表者

植木 嘉衛  群馬大学, 医学部, 助手 (20272239)

キーワードオステオポンチン / 慢性腎炎 / トロンビン
研究概要

オステオポンチン(OPN)は正常腎組織では尿細管、集合管に発現し、いくつかの腎炎ではOPN分子の発現が増強することが蛋白とmRNAレベルで証明され、このOPN分子の過剰発現が炎症部位へのマクロフアージの浸潤を促進するのではないかと考えられている。しかし、尿中に高濃度のOPNが存在する意義についてはいまだ不明な点が多い。今回、慢性腎炎患者の尿中OPN排泄量を検討した。また、尿中OPN分子についても解析を加えた。IgA腎症患者において、尿中OPN排泄量が膜性腎症、微少変化患者に比べ有意に低下していた。尿中OPN分子は、正常者では50kDaから60kDaのOPN分子が検出された。これはnative OPN分子として報告されている分子量に一致する。一方、IgA腎症では分子量34kDaのOPNフラグメントが主な分子として検出された。また、この34kDaフラグメントは検討したIgA腎症患者32例の全例に認められたが、膜性腎症患者では7例中4例、微少変化群患者では6例中1例にのみ認められた。また、正常者では認められなかった。正常者尿をトロンビンにて処理し、尿中OPN分子について検討したところ、IgA腎症患者尿と同じ分子量のフラグメントが認められた。尿中OPN分子の安定性についても尿検体を室温放置4時間まで検討したが、尿中OPN分子は分解されなかった。
以上、IgA腎症患者の尿中OPN分子は分解されていることが明らかにされた。この分解は腎炎局所で活性化されているトロンビンなどの蛋白分解酵素による切断の可能性が示唆された。トロンビンによるOPNの切断により、OPNの細胞走化能が亢進するとの報告や異なるインテグリンに対する接着能を獲得との報告もある。以上の結果をAm.J.KidneyDis.に報告した。またIgA腎症患者に対する治療成績をまとめClin.Nephrolに報告した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Gang X,Ueki K, et al.: "Reduced urinary excretion of intact osteopontin in patients with IgA nephropathy."American Journal of Kidney Diseases. (in press).

  • [文献書誌] Tamura S,Ueki K, et al.: "Corticosteroid therapy in patients with IgA nephropathy and impaired renal function."Clinical Nephrology. (in press).

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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