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2001 年度 実績報告書

肺サーファクタント アポ蛋白の感染防御機能発現の分子機構と医学的応用

研究課題

研究課題/領域番号 12770608
研究機関札幌医科大学

研究代表者

佐野 仁美  札幌医科大学, 医学部, 講師 (80295344)

キーワード肺サーファクタント / 生体防御 / 肺サーファクタント蛋白質A
研究概要

肺サーファクタント特異蛋白質A(SP-A)は、肺における自然免疫を担っていると考えられている。これまでに、SP-Aがグラム陰性菌外膜の主成分であるリポ多糖体(LPS)や、LPS受容体であるCD14と結合することにより、LPS誘導サイトカインの発現が調節されることを報告した。マクロファージ様細胞株およびラット肺胞マクロファージにおいて、SP-AとCD14の結合の結果、SP-Aのリガンドであるrough型LPSにより誘導されるTNFαの発現は促進し、リガンドではないsmooth型LPSにより誘導されるTNFαの発現は減少した。同様に、グラム陽性菌の成分であるペプチドグリカンに対する細胞応答において、SP-AはTLR2と結合することにより、SP-Aのリガンドではないペプチドグリカンにより誘導されるTNFαの発現を抑制した。以上のことから、SP-Aは病原体認識受容体と相互作用を有することで、様々な病原体に対する細胞応答を調節し得ると考えられた。また、SP-Aは細菌だけでなくウイルスとも結合しその活性に変化を与えることが明らかになりつつあるが、現在、SP-AとRSウイルスの相互作用や、RSウイルスに誘導されるサイトカインの発現に対するSP-Aの効果なども検討中である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Chiba H.: "Rat mannose-binding protein A binds CD14"Infectious Immunity. 69. 1587-1592 (2001)

  • [文献書誌] Mitsuzawa H.: "Extracellular Toll-like receptor 2 region containing Ser^<40> -Ile^<64> but not Cys^<30>-Ser^<39> is critical for the recognition of staphylococcus aureus peptidoglycan"Journal of Biological Chemistry. 276. 41350-41356 (2001)

  • [文献書誌] Murakami S.: "Surfactant protein A inhibits peptidoglycan-induced TNFα secretion in U937 cells and alveolar macrophages by direct interaction with Toll-like receptor2"Journal of Biological Chemistry. 277. 6830-6837 (2002)

  • [文献書誌] 佐野仁美: "肺サーファクタントの意味-生体防御能を中心に"周産期医学. 31・4. 449-453 (2001)

  • [文献書誌] 佐野仁美: "CD14とsurfactant"THE LUNG perspectives. 9・4. 90-94 (2001)

  • [文献書誌] Sano H.: "Risk factors of renal involvement and significant proteinuria in Henoch-Schonlein purpura"European Journal of Pediatrics. (IN PRESS). (2002)

  • [文献書誌] 佐野仁美: "先端医療シリーズ「呼吸器疾患」(気道免疫防御機構と肺サーファクタント蛋白質)"先端医療技術研究所. 489 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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