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2000 年度 実績報告書

組織特異的UCPs過剰発現マウスの作成と肥満を予防する新規食事成分の探索

研究課題

研究課題/領域番号 12770647
研究機関国立健康・栄養研究所

研究代表者

笠岡 宜代 (坪山 宜代)  国立健康・栄養研究所, 臨床栄養部, 研究員 (70321891)

キーワード肥満 / 糖尿病 / 脱共役蛋白質(UCPs) / トランスジェニックマウス / 脂肪組織 / ミトコンドリア
研究概要

エネルギー消費/熱産生に関与するUCPファミリーの中で、UCP2は広範な組織に発現し、ヒトでも発現が認められていることから最も注目されている。しかし、未だにin vivoにおける機能は解明されていない。そこで本研究では、肥満/糖尿病予防の観点からin vivoにおけるUCP2の機能を解明するため、UCP2を過剰発現するトランスジェニックマウスや後天的にUCP2を過剰発現するマウスを作成し、肥満および糖尿病の発症を防止できるか否か解析した。
本年度は、UCP2のcDNAを脂肪組織特異的なaP2エンハンサーに組み入れたコンストラクトを作成し、マウスの受精卵にマイクロインジェクションしてトランスジェニックマウスを作成した。作成したトランスジェニックマウスでは、子宮周囲脂肪、後腹膜脂肪、皮下脂肪および肩甲間褐色脂肪組織で外因性UCP2 mRNAが発現していた(約1.5倍〜2倍)。さらに、高脂肪食(脂肪エネルギー比60%)を負荷したところ、UCP2過剰発現トランスジェニックマウスでは体重増加の抑制、脂肪組織重量の減少、インスリン抵抗性の改善傾向が認められた。
次に、後天的にUCP2を過剰発現するマウスを作成した。共役リノール酸(Conjugated linolein acid,CLA)をC57BL/6マウスに経口摂取させたところ、顕著な体脂肪の減少が認められ、UCP2発現量が脂肪組織で劇的に増加していた。しかし、高度にUCP2を過剰発現させることは脂肪細胞のアポトーシスを生じ、lipodystrophyの症状を呈する可能性が示唆された。
以上の結果から、UCP2はin vivoにおいてもエネルギー消費亢進に寄与している可能性が強く示唆された。UCP2はヒトでの発現が認められていることから、UCP2を軽度増加させることはヒトの肥満・糖尿病の予防に有効であると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Nobuyo Tsuboyama-Kasaoka: "Conjugated Linoleic Acid Supplementation Ruduces Adipose Tissue by Apoptosis and Develops Lipodystrophy in Mice"DIABETES. 49. 1534-1542 (2000)

  • [文献書誌] Nobuyo Tsuboyama-Kasaoka: "Mitochondrial uncoupling protein 3 (UCP3) in skeletal muscle."Frontiers Bioscience. 6. D570-D574 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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