研究概要 |
I.ラットにおけるLL-Z1640-2投与後の血中動態の検討 Wistar系雄性ラット(200〜250g)を使用。LL-Z1640-2を(1)500μg/body(2)50μg/body(3)5μg/bodyの各量を(1)筋注(2)腹膜内投与の2経路で投与し、(1)実験開始直前(2)投与後の血中濃度をHPLCを用いて測定、血中動態を検討した。同薬は極めて脂溶性で赤血球に吸着されること、また生体内では代謝が極めて速いことがわかった。効果的投与量、経路、時期は現在検討中である。 II.ラット小腸虚血モデルにおける再灌流障害に対するJNK、p38の病態生理学的意義 1.ラット小腸虚血再灌流障害におけるMAPK(p38、JNK)動態の検討 Wistar系雄性ラット(200〜250g)を使用。60分間上腸管膜動静脈をクランプする。虚血前、再灌流前,再灌流後30分,60分,180分の小腸組織中p38、JNKの発現をMAP kinaseの抗体を用いたWestern blotting法で測定し、その活性をラジオアイソトープ(32P-ATP)を用いたkinase assay法にて測定する。現在この手技を習得中である。また小腸組織apoptosisをTUNEL染色にて検討した。再灌流後30分で小腸組織中のapoptosisはピークに達し、以降villaeの消失とともに減少していくことがわかった。 2.ラット小腸虚血再灌流障害に対するLL-Zl640-2の効果の検討 60分間小腸虚血するControl群と、虚血前にp38とJNKを同時阻害するLL-Z1640-2を投与するLL-Z1640-2投与群の2群を作成し、虚血前、再灌流前,再灌流後30分,60分,180分の以下の項目を比較検討する。同薬の量に限りがあるためControl群において以下の項目につき手技の確立をめざしている。 1)血漿中エンドトキシンの測定 2)小腸組織H.E.光顕像 3)生体顕微鏡下で小腸微小循環動態(膠着白血球、障害細胞)を観察。 4)血漿中、小腸組織中ラットTNFαの測定、組織中mRNA発現の確認 5)MAPK(p38、JNK)測定 6)アポトーシスの測定
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