平成12年度から13年度にかけて以下の研究を遂行した。胃癌の診断にて幽門側胃切除、billroth-I法再建術が施行された術後の患者で、逆流性食導炎の症状を有する以外には術後の全身状態が良好で、同意の得られた患者約12名に以下の検査を施行した。 1.食道、胃内視鏡検査:逆流性食道炎による変化の有無(Los Angels分類による重症度分類) 2.食道、胃バリウム造影検査:食道裂孔ヘルニアの程度、及び残胃の大きさ(長軸x短軸)の評価 3.食道内庄検査:下部食道括約筋の圧測定、及び食道体部の運動機能の評価 4.24時間食道pHモニタリシグ検査、及び食道ビリテック検査にて食道内の胆汁の逆流の程度及びpHを計測し、専用の解析ソフトにてデータの解析を行った。 現在までのデータの集積にて、胃切除後の食道内視鏡検査にて重症の逆流性食道炎所見を有する患者は以下の所見を示す傾向が強かった。 1.食道、胃バリウム造影検査にて食道裂孔ヘルニアを認め、残胃は小さい。 2.食道内圧検査にて下部食道括約筋の圧は低下しており、食道体部の運動機能障害を認める。 3.24時間食道pHモニタリング検査では、残胃の酸分泌能は低下していることが多く、食道内に胃酸が逆流することは少ない。 4.食道ビリテック検査にて、食道内に胆汁を含む十二指腸液の高度な逆流を認める。 5.胃切除後の逆流性食道炎の重症化には、胃酸の逆流よりもむしろ十二指腸液の逆流が関与している可能性が高い。 上記に加え、さらに詳細な統計学的解析を行った後、最終的な結論を出す予定である。
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