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2000 年度 実績報告書

消化器癌の予後因子および遺伝子治療としてのHMGI(Y)に関する解析

研究課題

研究課題/領域番号 12770695
研究機関杏林大学

研究代表者

阿部 展次  杏林大学, 医学部, 助手 (40266747)

キーワードHMGI(Y) / 膵癌 / 免疫組織化学 / RT-PCR
研究概要

本研究では、基礎的検討として発癌機構においてのHMGI(Y)過剰発現の役割、意義を明らかにし、さらに消化器癌におけるHMGI(Y)発現を検討し、HMGI(Y)発現レベルが臨床的にブロードスペクトラムな腫瘍マーカー、予後因子になりえるか否かの解明を目的としている。我々はまず消化器癌のなかでも最も予後不良な膵癌におけるHMGI(Y)発現に関して以下の如く検討を行った。
対象は手術的に切除した浸潤性膵管癌組織15例(原発巣9例、肝転移巣3例、腹膜転移巣2例、リンパ節転移巣1例)、非腫瘍性膵組織6例(慢性膵炎2例、正常膵4例)を用いた。凍結切片を作成し、HMGI(Y)特異抗体を用いて通常のABC法により免疫染色を行い、蛋白発現について検討した。膵癌組織15例全例で核の濃染を認めたが、非腫瘍性膵組織では淡い核濃染像を認めるのみであった。また、膵癌組織9例、非腫瘍性膵組織からRNAを抽出後、HMGI(Y)特異的プライマーを用いてRT-PCRを行い、mRNA発現について検討した。膵癌組織9例全例にmRNA発現を認め、正常膵組織では、4例中1例(非慢性膵炎組織)に発現を認めたが、膵癌組織に比べ発現は明らかに低かった。以上の結果から、膵癌においてもHMGI(Y)が過剰発現していることが明らかとなった。腫瘍性病変におけるHMGI(Y)過剰発現の分子生物学的機構、意義は現在のところ不明であり今後の検討課題であるが、大腸癌同様、膵癌においてもHMGI(Y)過剰発現は発癌機構に深く関与していることが推察された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Nobutsugu Abe, et al.: "Pancreatic duct cell carcinomas express high levels of high mobility group I (Y)(HMGI(Y)) proteins."Cancer Res. 60. 3117-3122 (2000)

  • [文献書誌] Gennaro Chiappetta,Nobutsugu Abe, et al.: "High mobility group HMGI (Y) protein expression in human colorectal hyperplastic and neoplastic diseases."Int J Cancer. 91. 147-151 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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