現在までのところ、外科的に切除された大腸癌についての腫瘍組織及び正常大腸粘膜組織の採取、凍結保存、核酸及び蛋白の抽出を行っている。また抽出RNAからの、cyclinD、RB、CDK4、MTS1遺伝子の発現をquontitative PCR若しくはNothern blottingによる定量化を平行して施行している。cyclinD遺伝子については、抽出DNAを用いたSouthern blottingを施行中である。蛋白発現については抽出蛋白の分析に加えて、腫瘍組織のパラフィン包埋切片についてp16免疫組織染色を行い検討予定である。 これらの遺伝子及び蛋白の発現について正常組織との比較は平成13年度へ持ち越しとなる見通しである。これらの遺伝子及び蛋白発現の異常が明らかとなれば、それが"p16-CDK4/cyclin D-RB"pathwayといわれる系として捉えられる異常であるのかの検討、またそれらが臨床病理学的背景との照合にて発癌、進展に関わる因子であるのか否かを検討を予定している。 当教室における大腸癌症例は年間概ね30例程度であり、さらに多数の症例からの核酸、蛋白抽出及び検討が必要であると考えられるため、現在過去に切除され凍結保存されている腫瘍組織及び正常組織についての試料採取を行っているところである。
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