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2000 年度 実績報告書

長時間におよぶ超低体温循環停止時における大脳高次機能障害発生機序に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12770722
研究機関秋田大学

研究代表者

石橋 和幸  秋田大学, 医学部, 助手 (00291617)

キーワードアポトーシス / 大脳高次機能 / 脳循環停止
研究概要

ビーグル犬を用いて、90分以内の超低体温循環停止モデルを体外循環を用いて作成し、虚血72時間後における大脳皮質、小脳、海馬について、病理学的組織変化をHE染色およびTUNEL染色で形態学的に評価検討し、さらに正常細胞、アポトーシス細胞、壊死細胞について透過型電子顕微鏡で定量的に評価した。
1.体温15℃で90分の体外循環を行った群(n=5)では脳神経細胞に異常所見は認められなかった。
2.体温15℃で60分の脳循環停止群(n=5)では脳神経細胞に異常所見は認められなかった。
3.体温15℃で90分の脳循環停止群(n=5)では、海馬、大脳皮質(第III層、第V層の錐体細胞)
および小脳プルキニエ細胞の90%にアポトーシス細胞を認め、5%に壊死細胞を認めた。
実験結果より、低体温脳循環停止後における術後の脳神経の形態学的変化にアポトーシスが関与していることを明らかとした。
臨床研究では、1995年より1999年までに、超低体温循環停止法を用いて弓部大動脈の手術を行った症例中、脳循環停止時間が60分以上であった80症例について、手術成績および術後における記銘力、不眠、意欲などの大脳高次機能について臨床的に評価検討した。手術成績は、病院死亡5例(6%)、脳梗塞4例(5%)、一過性意識障害6例(8%)であった。病院死亡と脳梗塞症例を除いた71例中、薬剤抵抗性の強い不眠を16例(23%)に、記銘力の低下を15例(21%)に、意欲低下を29例(41%)に認めた。
基礎実験結果および臨床的所見より、体温15℃において60分以上の脳循環停止は、脳神経細胞のアポトーシスを引き起こし、術後の大脳高次機能に影響することが考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 石橋和幸: "超低体温循環停止下における術後脳障害に関する臨床例と基礎実験例の比較検討"日本低体温研究会会誌. 第20巻第1号. 13-20 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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