研究概要 |
1,FR-167653の効果(非定量的判定) 昨年6月第42回国際脈管学会(米国)にて,この基礎実験結果つまり『ラットinterposition静脈グラフトモデルにおいてTNF-α mRNAの発現は,動脈グラフトモデルに比し,術後1週目に有意に高かった』ことを報告した。ちょうどその直前にPreliminary Studyとして『TNF-α阻害剤であるFR-167653 2.0μg/gを腹腔内投与した群(FR群)は,同量の生理食塩水を腹腔内投与した群(コントロール群)に比し,非定量的ではあるがElastica-van Gieson's染色による視覚的判定では,術後4週目の内膜肥厚を抑制することが示唆する結果』を得たので,上記発表の際に引用した。 その後実験例数を増やし,日本外科学会雑誌(101巻11号)に発表した(11.研究発表論文参照,別刷添付)。 2,FR-167653の効果(定量的判定) 内膜肥厚の程度を定量化すべく,コンピューター画像処理(NIH Image Ver.1.61)を用い比較検討した。その結果,『FR群の術後4週目の内膜肥厚は0.186±0.065mm^2で,コントロール群の0.434±0.045mm^2に比し,明らかに抑制されている(p<0.05)』ことがわかった。その詳細は今年2月第31回日本心臓血管外科学会学術総会(山口)にて発表した。現在同機関誌に投稿準備中である。
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