脳死モデルを作成し、脳死による心筋障害の有無及びこれに対する一過性高温負荷の心筋組織へ及ぼす影響及び循環動態の変化を検討した。この予備実験として細胞内cAMPはpreconditioningあるいはheat shock proteinの発現と非常に密接な関係があることに着目し、細胞内cAMP増加薬剤であるforskolinの影響を検討し報告した。遠隔臓器である下肢虚血が心筋細胞にheat shock proteinの発現を含めた効果を有するか否かを報告した。 これらの結果をもとに以下の実験を行った。 [1]実験動物:New Zealand白兎15羽を使用した。 [2]実験方法:pentobarbitalの静注による全身麻酔及び人工呼吸管理下に、頭蓋内硬膜外腔バルーンカテーテルの拡張による急性頭蓋内圧亢進状態を作成し、脳波により脳死状態を確認し、実験モデルとして再現性のある安定した実験方法であることを検証した。さらに以下の実験群を作成し、平成13年度の実験の遂行に向けて準備を行った。 [3]実験群:Control群;麻酔導入及び人工呼吸管理を6時間行い心摘出(n=5) Brain Death群;脳死状態6時間後に心摘出(n=5) Heat Shock群;脳死及び高温負荷6時間後に心摘出(n=5) [5]測定項目及び方法 循環動態、心筋形態および心筋内heat shock protein定量を測定した。
|