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2000 年度 実績報告書

急性期脊髄損傷に対する低体温療法の有効性についての検討-アポトーシス抑制効果とシグナル伝達経路の解明-

研究課題

研究課題/領域番号 12770760
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

真砂 敦夫  名古屋市立大学, 医学部, 助手 (70209419)

キーワードspinal cord injury / apoptosis / hypothermia
研究概要

神経損傷におけるアポトーシスの関与及び低体温療法による保護効果を検討するために,我々は様々な脳損傷モデルを作成し病態解明に努めてきた.Taki ら(Nagoya Med.J 2000)は,局所脳虚血損傷後のアポトーシス関連遺伝子の発現を検討し,虚血周辺部でのbaxおよびp21遺伝子の発現亢進とapopototic cellsの出現を示した.Nakatsuka ら(Nagoya Med J 2000)はくも膜下出血後の海馬神経損傷におけるアポトーシスの役割を研究し,海馬CA1領域における関連遺伝子の発現経過を明らかにした.Kanano ら(NeuroReport 2000)は凍結脳損傷でp53,p21遺伝子発現からアポトーシスの経路が損傷拡人に寄与する事を示した.つまり神経損傷においては初期損傷に続く2次障害にアポトーシスが深く関わっている事は確実であり,それを抑制することが後遺症の軽減につながると考えられた.アポトーシス抑制のために種々の薬剤が推奨されてはいるが,副作用等の面で臨床応用に耐えない.低体温療法は重症頭部外傷の治療として用いられているが,基礎データの裏付けに乏しい.Kawamura ら(J Neurotrauma 2000)はくも膜下出血モデルを用い,低体温治療後にhsp70,c-jun遺伝子の発現が抑制され,虚血ストレスが緩和される事を示した.またアポトーシス細胞の出現が抑制されるというprelimimaryなデータも有している.Shibayama ら(J Comp Neurol 1998)のデータによれば,脊髄損傷後の逆行性変性にもアポトーシスの関与が示唆された.我々は現在脊髄損傷後の浮腫に注目している.損傷周囲での浸透圧調節遺伝子(SMITやAquaporin)の発現亢進を明らかにし,これによる2次性損傷がアポトーシスを誘導するものと推測している.脳外傷では低体温が脳浮腫の抑制に有効であることから,脊損に置いても治療効果が期待され,その基礎実験が進行中である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Kawamura Y et al.: "Hypothermia modulates induction of hsp 70 and c-jun mRNA in the rat brain after subarachnoid hemorrhage."J Neurotrauma. 17. 243-250 (2000)

  • [文献書誌] Katano H et al: "P53-independent transient p21 mRNA induction in the rat brain following experimental traumatic injury."NeuroReport. 11. 2073-2078 (2000)

  • [文献書誌] Nakatsuka M et al.: "Subarachnoid hemorrhage induced apoptosis-related Genes in the rat brain."Nagoya Med J.. 44. 27-37 (2000)

  • [文献書誌] Taki H et al.: "Expression of p21 mRNA after transient focal cerebral ischemia."Nagoya Med J. 44. 39-49 (2000)

  • [文献書誌] 加藤康二郎 ら: "ラット脳凍結損傷モデルにおける脳浮腫と水チャンネルAquaporin-4の発現について"第3回脳浮腫・頭蓋内圧研究会抄録集. 3 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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