研究概要 |
ラット神経細胞(大脳皮質、脳幹、中隔野、海馬、および脊髄)が培養課程で、一定量のαsynucleinとβsynucleinのmRNAを発現していることを見いだした。(1999年10月、Neuroscience発表)。しかしラットのglial cellsの培養系では発現されなかった。さらにこれらは免疫染色でも証明された。しかし、mRNAの発現量は培養課程の各ステージで変化する事がなかった。培養神経細胞が培養シャーレ上で生着し、神経突起を進展、細胞同士でsynaptogenesisを行う課程で明らかなmRNAのregulationをしていないとすれば、presynaptic proteinとして局在のわかっている同proteinが実際どの様な機能をしているかについての解明は、今後各サイトカイン(aFGF,bFGF,NGF,TNF,EGF,IL-1βなど)の刺激による発現変化をmRNAレベルと蛋白レベルでと言う方向の変わってくる。またastrocyteなどのglial cellsが発現する神経栄養因子がそれらの蛋白に対しどの様な影響を与え神経細胞の変性や死、分化、生存維持や再生にどの様な関係をもたらすかを明らかにすることでこの蛋白の機能の解析につながると信じている。神経細胞死にこの蛋白が何らかの関係を持っているとすれば、この機能の解明は、Alzheimer病のみならず、Perkinson病やその他の一見症状として表現型は異なるものの、多くの神経変性疾患の根底にある神経細胞死と言うレベルでの基本的分子機構の解明につながり、これら一連の疾患の原因の解明そして、治療へつながることと信じている。 1、各サイトカイン下での培養神経細胞の影響。 2、astrocyteの出す神経栄養因子の培養ラット神経細胞への影響。 上記についてmRNAレベル(RT-PCR)、蛋白レベル(Westem blotting、免疫染色)での実験は現在進行中である。
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