研究概要 |
本研究の目的はDMAB(3,2'-Dimethyl-4-aminobiphenyl)で誘発されるラット前立腺発癌モデルを用いて、非環式レチノイド(NIK-333)の発癌予防効果について検討することである。本研究は日研化学大宮研究所との共同研究として行われている。6週齢F344雄ラット(チャールスリバーより購入)90頭を3群(各n=30)に分け、第1群は発癌陽性control、第2群は非環式レチノイド40mg/kg投与群、第3群は非環式レチノイド80mg/kg投与群とした。実験は平成12年10月より開始した。すべてのラットに実験開始と同時にDMAB 50mg/kgを2週毎に合計10回皮下投与した。非環式レチノイドの投与はDMABの投与終了に引き続き実験終了までの40週間にわたって経胃管的に週3回行う計画であったが、実験40週頃から死亡ラットが急増したため45週でレチノイドの投与を打ち切った。現在死亡ラットの死因については病理組織で検討中であるが、レチノイド投与群で死亡数が多い傾向にあり、毒性が発現した可能性がある。結局予定より2週早く58週でsacrificeを行い(平成13年12月9日)、現在は前立腺・精嚢の病理組織標本を作成中である。副性器のいずれかの部位に癌が認められれば前立腺発癌positiveとし発癌率や病変の形態を群間で比較し、同時にatypical hyperplasiaについても比較を行う予定である。
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