再発性尿路結石患者に対し尿中クエン酸排泄量を測定しており、現在までに13人測定し2人の患者を特発性低クエン酸尿症(同時に代謝性アシドーシス、低カリウム血症、過剰食塩摂取、尿路感染症等の低クエン酸尿症を引き起こす疾患を併発していないことを確認した。)と診断した。これらの患者より血液中の白血球よりRNA、DNAを抽出している最中である。今後抽出したtotal RNAを用いNaDC-1のprimerを用いRT-PCRを行いNaDC-1 cDNAのシークエンシングを行い、まずmRNAの塩基配列上の異常を検討するつもりである。mRNAの塩基配列に異常がみられない場合はDNAのpromoterの塩基配列に注目し異常の有無を検討するつもりである。 ラットに塩化アンモニウム、活性化ビタミンDを負荷し結石のモデルを作成しコントロール(活性化ビタミンDのみ投与)に比べて酸+活性化ビタミンD投与ラットにおいて結石生成がみられたことと尿中クエン酸の減少、血液、尿中カルシウムの増加、腎組織内のカルシウム含有量の増加を証明し平成12年尿路結石研究会(於:滋賀県)にて研究成果を発表した。今後酸投与ラットにおいての結石生成のメカニズムをクエン酸の代謝を中心に解明していきたい。
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