研究概要 |
前立腺癌細胞株(DUl45,JCA-1,PC-3)におけるBcl-2蛋白の発現の有無をウエスタンブロッテイングにて検討した。いずれの前立腺癌細胞株においてもBcl-2蛋白の発現が確認された。 次いでin vitroにおけるbcl-2 antisense治療による前立腺癌細胞株の殺細胞効果を検討した。96 wellのplateに細胞を均等にまき24時間培養したのち、bcl-2 antisense(625nM)とcationic lipid(1250nM)を混合した溶液を加え72時間後にクリスタルバイオレット染色を施行し、吸光度計にて殺細胞効果を定量した。bcl-2 sense(625nM)とcationic lipid(1250nM)、cationic lipid(1250nM)のみを混合した溶液をコントロールとした。DU145においてはbcl-2 antisense治療群、bcl-2 sense治療群、cationic lipidのみの治療群においてそれぞれ殺細胞効果は78.5%,9.0%,0%であった。JCA-1においてはそれぞれ殺細胞効果は45.0%,18.2%,0%であった。PC-3においてはそれぞれ殺細胞効果は93.0%,24.0%,0%であった。 bcl-2 antisense治療前後における前立腺癌細胞株のBcl-2蛋白の発現の変化をウエスタンブロッテイングにて検討した。DU145においてはbcl-2 antisense治療群、bcl-2 sense治療群、cationic lipidのみの治療群においてそれぞれBcl-2蛋白/beta-actin比は0.328,0.74,0.72であった。他の前立腺癌細胞株においてもbcl-2 antisense治療群においてのみBcl-2蛋白の発現の低下が確認された。
|