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2001 年度 実績報告書

妊娠中毒症における遺伝・環境要因の交絡の解明と発症予防に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12770891
研究機関北海道大学

研究代表者

小橋 元  北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (60270782)

キーワード妊娠中毒症 / アンジオテンシノーゲン / 一酸化窒素合成酵素 / 遺伝子タイピング / ライフスタイル / ストレス / 危険要因 / 遺伝環境相互作用
研究概要

妊娠中毒症は、複数の遺伝的要因と環境的要因の相互作用によって発症する多因子疾患と考えられ、従来、様々な方法でその発症予知と早期介入が試みられているが、未だにその発症機構は不明で、効果的な発症予知法もない。申請者らは、今までに、北海道内の妊娠中毒症の症例約150例と、正常妊娠の対照約400例のDNAを解析し、アンジオテンシノーゲン(AGT)遺伝子M235T多型、アンジオテンシンII受容体(ATR)遺伝子A1166C多型が本症の発症に有意に関連することを見出した。また、AGT、ATR遺伝子多型と、妊娠前・妊娠中の環境要因との交絡、相互作用を多変量解析により検討した結果、(1)AGT遺伝子T235ホモ接合型、(2)妊娠前のBody Mass Index(BMI)が24以上、(3)妊娠中の牛乳摂取不足、(4)妊娠中の揚げ物摂取過剰、(5)妊娠中の精神的ストレスの5項目が独立に関連した。さらに、対照集団をAGT遺伝子のタイプで2群に分けて樹木法・多変量解析すると、T235ホモ接合型群と、その他の群とでは異なった要因が、それぞれ独立に関連することを見出した。
今回は、新たな遺伝子多型要因の解析を行い、一酸化窒素合成酵素(eNOS)遺伝子Glu298Asp多型が妊娠中毒症の発症に関連し、またこれはAGT遺伝子多型とは独立であることを見出した。また、アンジオテンシン変換酵素遺伝子Insertion/Deletion多型、血液凝固第V因子遺伝子(Leiden変異)、MTHFR遺伝子C677T多型、β3-アドレナリン受容体T64A多型は、日本人の妊娠中毒症には関連しないとの結果を得た。
今後、AGT、eNOS遺伝子多型を組み合わせて、妊娠前・妊娠中の環境要因との交絡、相互作用を樹木法・多変量解析にて検討し、マーカーとしての応用を目指したいと考えている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Kobashi G.et al.: "Multivariate analysis of genetic and acquired factors:T235 variant of angiotensinogen gene as a potent independent risk factor for preeclampsia"Semin Thromb Hemost. 27. 143-147 (2001)

  • [文献書誌] Kobashi G.et al.: "Glu298Asp variant of the endotherial nitric oxide synthase gene(NOS3)and hypertension in pregnancy"Am J Med Genet. 103. 241-244 (2001)

  • [文献書誌] 小橋 元 他: "血液検査でわかることについての知識と研究への臓器・血液供出に関する意識との関連-専門学校・短期大学生への質問紙調査-"社会医学研究. 19. 23-32 (2001)

  • [文献書誌] Kobashi G.et al.: "Absence of association between a common mutation in the methylenetetrahydrofolate reductase gene and preeclampsia in Japanese"Am J Med Genet. 93. 122-125 (2000)

  • [文献書誌] 玉腰暁子, 小橋 元 他著: "日本医事新報社"疫学研究におけるインフォームド・コンセントに関するガイドライン. 27 (2000)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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