研究概要 |
平成12年度と同様、IVF-ET時に採取した穎粒膜細胞におけるTGFbeta1mRNA発現を定量的に解析し、ovarianreserveと関係の深い患者年齢、total採卵数,hMG総投与量について解析を行った。IVF-ET時にインフォームドコンセントの後、穎粒膜細胞を実験に供した(n=17)。平成12年度がやはり17例だったのであわせて34例の解析を行うことができた。TGFβmRNAはRealtimePCRを用いて定量した。totalRNAをDnase処理した後、randomprimerを用いてcDNAを合成した。RealtimePCRは95℃/30sec,60℃/30sec,72℃/30secの条件下で行った。hMG総投与量とTGFβ1mRNAとは明らかな関連は認められなかった。患者年齢別では、35歳未満の群で、logTGFβ1=7,880±0.790/ugtot乱1RNA(mean±SD,n=18),35歳以上の群でlogTGFβ1=7,550±0,468(n=16)と後者が低かったが、有意差は認めない。Total採卵数はmedlanが10.5であったので、total採卵数10個以下をA群(logTGFβ1=7330±0,790,n:22)、11個以上をB群(logTGFβ1=8,410±0,443,n:12)としたとき、TGFβ1mRNA相対発現量を両群間で分散分析を行うと、B群のほうが有意にlogTGFβ1の値が高かった(p<0.05)。今年度の検討によれば穎粒膜細胞局所でのTGFβ1mRNAが高ければtotal採卵数も多い傾向にある、といえる。その点では昨年度と同様の結果が得られた。
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