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2001 年度 実績報告書

ヒト精子の成熟過程における精子PHGPxの生理的機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12770908
研究機関山梨医科大学

研究代表者

水野 薫子  山梨医科大学, 医学部, 助手 (90219642)

キーワードPHGPx / sperm / selenium / mRNA
研究概要

(1)ヒト精子PHGPx mRNAレベルと精子運動能との関連についての検討
妊孕性の確認されている男性、および機能性不妊患者の精子を検体として、アフィニティーカラムを用いてtotal RNAを調製した。ヒトPHGPx mRNAに特異的なプライマーを設定し、これを用いてRT-PCR法およびサザンブロツト法を行い、精子PHGPx mRNAを定量的に解析した。精子のミトコンドリア外膜の-S-S-結合の状態は精子運動能と密接に関連していると考えられるので、同一症例の精子の運動能(運動率、直進性ならびに運動速度など)をCASA(computer-aided sperm analyzer)を用いて評価し、さらに精子ミトコンドリアの活動電位をJC-1蛍光染色を用いて測定し、PHGPx mRNAレベルとの関連性を検討した。
(2)ヒト精子PHGPx mRNAレベルと精子核成熟度との関連についての検討
上記で用いた検体について、精子核の成熟度をacridine orange染色法により染色後、蛍光顕微鏡を用いて観察、評価し、これらの精子核の成熟度とPHGPx mRNAレベルとの関連を検討した。
これらの検討により、PHGPxが精子の運動能や受精能を知るうえでひとつの評価法となりうることが示され、今後さらなる研究により、基礎的には、PHGPxが精子成熟過程において果たしている生理的役割が解明し得ると同時に、精子の精巣上体での成熟機構についての理解が深まることが期待される。また、臨床的には、最近急増している原因不明の男性不妊症の病態が明らかになるとともに、精子成熟不全に基づく男性不妊に対する新たな治療法の確立が期待されると考えられる。なお、本研究の2年間の研究期間ではいずれもPHGPx mRNAレベルについての検討を主に行ったため、今後の課題として、蛋白レベルについての研究をさらにすすめる必要がある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kaoruko Mizuno, et al.: "Analysis of the Phospholipid Hydroperoxide Glutathione Peroxidase mRNA in the Rat Spermatozoon and Effect of Selenium Deficiency on the mRNA"Biological Trace Element Research. 74(1). 71-79 (2000)

  • [文献書誌] 笠井 剛, 星 和彦, 平田修司, 小川恵吾, 水野薫子, 他: "機能性不妊症・病態とその対策-精子機能異常と機能性不妊-"産婦人科の世界. 52. 499-507 (2000)

  • [文献書誌] 小川恵吾, 笠井 剛, 水野薫子, 他: "精子受精能の評価に有用な運動精子性状のCASAを用いての検討"産婦人科の実際. 50. 875-880 (2001)

  • [文献書誌] 水野薫子, 星 和彦: "ART選択へのアプローチ"産婦人科の実際. 51. 215-220 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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