ダイオキシン等の環境ホルモンの急性毒性に関しては報告されているが、低濃度のダイオキシンに長時間暴露された場合の影響についての検討はなされていない。特に、ダイオキシンの好中球に及ぼす影響についての検討は皆無である。近年、共焦点レーザー顕微鏡を用いることによって、好中球の鼻粘膜への遊走及び局所での活性化の機序について単離細胞レベルで解析することが可能となった。本研究では、好中球が低濃度の環境ホルモンに長時間暴露された場合の好酸球の生存率及び機能について検討することが目的である 低濃度のダイオキシンと好中球を混合培養した後、接着分子の発現を検討したところ、ダイオキシンによってCD11bの発現は上昇し、セレクチンの発現が減少した。これら結果は、ダイオキシンが好中球の接着分子の発現を変化させることによって炎症反応と組織障害を促進し、アレルギー反応を遷延化させる可能性を示唆するものと考えられた。
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