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2000 年度 実績報告書

cDNAマイクロアレイを用いた頭頚部癌浸潤に関与する遺伝子解析

研究課題

研究課題/領域番号 12770958
研究機関福井医科大学

研究代表者

野田 一郎  福井医科大学, 医学部, 助手 (60283181)

キーワードG-CSFR / G-CSF / 癌浸潤 / 頭頸部扁平上皮癌 / cDNAアレイ / 遺伝子
研究概要

癌細胞の組織浸潤には多くの因子が関与しているが、その一つとして Granulocyte colony-stimulating factor(G-CSF)が挙げられ、G-CSF receptor(G-CSFR)を持つ癌細胞の浸潤能を亢進させる。その作用機序は、G-CSFRを介したIV型コラゲナーゼ活性が亢進するためであるが、細胞骨格や細胞運動を直接制御している可能性もあり、癌細胞内においてG-CSFのシグナルがいかなる遺伝子発現の変化を起こしているか詳細は不明である。そこで本研究では、1176個の遺伝子がプロットされたcDNAアレイを用いて、このG-CSFによる癌細胞内での遺伝子発現の変化、特に癌細胞浸潤に関わる遺伝子の解析・同定を行った。
複数の頭頸部扁平上皮癌細胞株でG-CSFRの発現をRT-PCR法にて検索したところ、口腔扁平上皮癌細胞株T3M-1ではG-CSFRを発現していないことがわかった。そこで、G-CSFR cDNAが組み込まれた発現ベクターをT3M-1細胞株にトランスフェクションし、安定導入株(T3M-GCR6)を得た。このT3M-GCR6細胞にG-CSFを作用させると浸潤能が亢進することを確認した。
T3M-GCR6細胞にG-CSFを作用させ、6時間後にmRNAを採取して^<33>Pでラベルしたプローブを作成し、cDNAアレイとハイブリダイズを行った。その結果複数のmetalloproteinases(MMPs)とともに、それらを制御する転写因子の遺伝子の発現変化を認めた。さらにこれらの遺伝子の発現をRT-PCR法で再確認し、蛋白レベルでの発現もウェスタンブロット法にて確認した。
今後は、頭頸部癌患者からの癌組織を用いて。患者同意の上で同定できた遺伝子の発現を検索し、転移や予後といった臨床相関との関係を検討していく予定である。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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