【目的】屈折矯正角膜切除術後の白内障手術における眼内レンズパワーの計算に必要な因子を検討する。 【対象・方法】白色家兎6羽を対象とし、SUMMIT社製エキシマレーザーUV-200を用いて両眼に屈折矯正角膜切除術を施行した。切除量は右眼10D、左眼5Dとした。そして3か月経過した時点で両眼に水晶体摘出及び人工レンズ(二デック社製+26.0D)挿入術を施行し、さらに2か月間経過観察した。水晶体摘出及び人工レンズ挿入術前に屈折値・角膜屈折力(直径2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm)・眼軸長を測定し、それらの値をSRK-II式に代入して得られた術後の予想屈折値と、術後2か月における実際の屈折値との相関を各角膜曲率半径ごとに求め、比較・検討した。 【結果】水晶体摘出及び人工レンズ挿入術前の屈折値・角膜屈折力(直径2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm)・眼軸長の平均はそれぞれ、+4.10D、41.66D、 42.03D、41.89D、42.33D、42.29D、15.37mmであった。そして術後2か月における予想屈折値と実際の屈折値との相関係数は、各直径に対してそれぞれ、0.900、0.903、0.891、0.892、0.900であり、直径2.5mmにおいて最も強い相関がみられた。 【考察】白色家兎に対する屈折矯正角膜切除術後の白内障手術における眼内レンズパワーの計算には直径2.5mmにおける角膜曲率半径の計測が必要である。また、人眼においても屈折矯正角膜切除術の切除量に応じて計測すべき角膜曲率半径の直径が異なることが予想され、また、これら以外にも前房深度、角膜厚などを今後検討する必要があるものと思われた。
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