1.眼球発育期に発現する新規遺伝子の解析 昨年度にクローニングした眼球発育期に発現する新規遺伝子の解析を行った。まずその発現について出生前後のマウスの全眼球を用いてRT-PCRで解析した。この遺伝子は胎生後期より生後10日頃まで高い発現がみられ、その後生後14日目頃より発現が低下していた。さらに大人のマウスの眼球内では全く発現が見られなかった。またin situ hybridizationにおいても出生10日頃より眼内のあらゆる組織での発現が一様に低下していた。さらにこのマウスの遺伝子のヒトでの全塩基配列を決定した。これはヒトにおいても高い相同性を持ったまま保存されていた。またzinc finger domainが5'側にあり何らかの転写因子である可能性が示唆された。 2.上記遺伝子のノックアウトマウスの作成 昨年度、WT1遺伝子を用いたCreを含むターゲッティングベクター及ぴloxPを含む5'側の上記遺伝子のターゲッティングベクターはES細胞での相同組み替えはみられなかった。そのため上記遺伝子の通常のターゲッティングベクターを作成した。このベクターは、昨年度のベクターよりやや3'側のゲノムを用いて作成したが、ES細胞へのエレクトロポレーションにより、相同組み替えが起こらないことが確認された。以上よりこの遺伝子の変異をもつマウスとして、上記遺伝子の一部に変異をもつトランスジェンックマウスの作成が有用と考えられた。
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