(1)ODAGの標的蛋白質の同定 網膜の分化発達過程において、一時的に発現している新規遺伝子をDifferential Display法を用いてクローニングし、ODAGと命名し、in situ hybridizationで網膜での発現を確認した。この新規遺伝子の網膜における機能は不明である。ODAGの機能を明らかにするために、ODAGをプローブとして、酵母のTwo-hybrid法を用いてODAGに結合する蛋白質の遺伝子の断片を検索したところ、既知の遺伝子が1つと未知の遺伝子が1つスクリーングされた。 (2)既知の遺伝子について GenbankのBLAST検索により、この遺伝子は、Olfactomedinであることが判明した。既知の遺伝子配列からプライマーを設計し、PCRをかけたところ、既知の遺伝子の全長がクローニングされた。これを発現ベクターに導入し、COS細胞に発現させたところ、発現が確認された。ODAGとOlfactomedinが結合することを無傷細胞系で確認した。また、ODAGとOlfactomedinにタグをつけて強発現させた蛋白を用いてODAGとOlfactomedinが、直接結合するかin vivoで確認中である。また、この既知の遺伝子が網膜切片のどの部位に発現しているかin Situ hybridizationを用いて確認中である。 (3)未知の遺伝子について 未知の遺伝子の全長をhybridization法を用いて、クローニング中である。それと未知の遺伝子の断片を発現ベクターに導入し、COS細胞に発現させたところ、発現が確認された。現在、この遺伝子の断片による未知の蛋白質とODAGと結合するか、in vitroとin vivoで確認中である。
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