【方法】モデルラット:Gestation9.5dayのラットに100mg nitrofenを経口投与することにより、CDHモデルラットの作成を行った。また、近年、CDH胎児治療法としての胎児気管結さつ術(FETENDO)を、FETENDOの肺血管リモデリングに関する検討を、VEGFを用いた免疫染色で検討した。 実験1:モデルラットをGestation day15、18、22に、ceasarean sectionにより娩出後、固定を行い、CDH群とした。正常ラット新生仔も同様に娩出後、正常コントロールとした。肺標本を作成後、肺血管平滑筋層の計測を行うとともに、抗VEGF抗体による免疫染色を行い、コントロール群とCDH群での比較検討を行った。 実験2:CDHモデルラットGestation 13dayに、全身麻酔科に、子宮を切開し、胎児CDHラットの気管を9-0ナイロンで結さつし、FETENDOモデルとした。Gestation 22dayにceasarean sectionし、肺血管平滑筋層の計測を行うとともに、抗VEGF抗体による免疫染色を行い、コントロール群とCDH群での比較検討を行った。 【結果】実験1:肺血管平滑筋層は、コントロール群に比べ、CDH群では、肥厚する傾向にあった。VEGFの発現では、コントロール群では、15日より、血管平滑筋・内膜に、VEGFの発現がみられ、発現量自体は、増加する傾向にあった。一方、CDH群では、VEGFの発現量は、少なく、抑制される傾向にあった。 実験2:肺血管平滑筋の厚みは、正常コントロール、FETENDO、CDHラットの順で、肥厚が認められた。VEGFの発現量は、逆に、正常コントロール、FETENDO、CDHラットの順に減少していた。この事から、FETENDOにより、VEGFの発現量が増加し、これに伴い、肺血管のリモデリングが行われていると考えられた。
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