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2000 年度 実績報告書

慢性サル体性感覚皮質における口腔内立体認知機構

研究課題

研究課題/領域番号 12771111
研究機関東邦大学

研究代表者

戸田 孝史  東邦大学, 医学部, 助手 (40250790)

キーワード口腔内立体認知 / 体性感覚皮質 / 歯根膜
研究概要

今年度は、サル一次体性感覚野(SI)の口腔再現領域において、口腔内立体認知の観点から、歯根膜ニューロン(歯根膜からの情報をうけ歯に加えられた機械的刺激に応答するニューロン)の受容野の性質を明らかにすることを目的として研究に着手した。これまでの実験で、主として2野におけるデータが集積されつつある。3頭5半球の2野から得られた707個のニューロンのうち480個について受容野が同定され、このうち62個が歯根膜ニューロンであった。lateralityの内訳は、対側:60%、両側:29%、同側:5%、中切歯部:6%であった。81%は複数歯に、残りは単一歯に受容野をもっていた。複数歯に受容野をもつニューロンの中には上下顎の対合歯に受容野をもつものがみられた(n=6)。複数歯にまたがる受容野の形成機序を検討するため、受容野に含まれる歯の本数(片側当たり)をlaterality間で比較すると、両側:5.1、対側:3.0、同側:2.0であった。この結果は片側内の統合がある程度進んだ後に両側の統合が起こることを示唆するが今後より詳細な検討が必要である。一方、歯根膜ニューロンの37%は、歯のみならず、歯肉、口唇、舌に受容野をもち、これらのうち4個は複数歯、歯肉、口唇の3部位を受容野に含んでいた。このような複雑な受容野は食物等によって同時に刺激される部位の組み合わせであると解釈でき、口腔内立体認知能に関与している可能性が高い。2野において単純な受容野をもつニューロンと複雑な受容野をもつニューロンが混在していることは、2野が3b、1野からの要素的情報を統合し複雑な受容野を形成する場であることを示唆し、次年度以降、現在集積されつつある3b、1野の実験データとの比較が必要である。また、上下顎歯による物の厚さや硬さの弁別には深部感覚との統合も必要不可欠であり、歯の刺激と咀嚼筋刺激(筋のプレス、伸展等)の両者に応答するニューロンの探索も行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Takashi Toda: "The callosal connections in the forelimb region of the monkey postcentral somatosensory cortex"Neuroscience Research. Suppl.24. S112 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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