研究概要 |
破骨細胞の分化過程は、骨芽細胞やストローマ細胞によって厳格に調節されている。炎症性骨吸収のときには、RANKL-dependent pathwayとRANKL-independent pathwayの経路によって破骨細胞が形成されることが知られている。申請者は、平成12年度は、プロスタグランジンE2受容体のひとつであるEP1受容体アンタゴニスト(SC-19220)がRANKLによって誘導される破骨細胞に影響を及ぼすかをbone marrow cultureの系を用いて検討した。平成13年度は、SC-19220がRANKLによって誘導される破骨細胞の形成に及ぼす効果を詳細に検討するためにbone marrow cultureの系やbone marrow macrophageの系を用いてRANKLを介したシグナルに関与する各種受容体等の発現量をRT-PCRやウェスタンプロット法を用いて解析した.また,IL-1によって誘導される破骨細胞の形成にSC-19220が影響するかどうかについても検討したい。 以上の結果より,SC-19220はRANKLによって誘導される破骨細胞の形成を抑制することが明らかとなった.また,その抑制機構の解明にも貢献できた.
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