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2001 年度 実績報告書

口腔扁平上皮癌患者の放射線治療によるTh1/Th2バランスの変化について

研究課題

研究課題/領域番号 12771134
研究機関日本歯科大学

研究代表者

佐藤 太吾  日本歯科大学, 歯学部, 講師 (80297952)

キーワード扁平上皮癌 / 放射線治療 / 細胞内サイトカイン / Th1 / Th2バランス
研究概要

1.目的:口腔扁平上皮癌患者の放射線治療前および放射線治療後において、細胞内サイトカイン法によるTh1、Th2、Tc1、Tc2細胞の同定によるTh1/Th2バランスおよびTc1/Tc2パランスについて比較、検討することである。
2.対象:健常者の対照群19症例、放射線治療前および治療後が各14症例である。なお、放射線治療は、化学療法(シスプラチン)と併用している。
3.方法:患者より末梢血を採血し、全血法にてBecton Dickinson社のFAST IMMUNE Cytokine Systemを用いてCD4^+T細胞およびCD8^+T細胞内におけるIFN-γおよびIL-4の発現をFACScanにて解析した。
4.結果
1)Th1細胞の割合は、健常者23.6±13.2%、放射線治療前29.4±12.4%、治療後43.9±16.2%であった。
2)Th2細胞の割合は、健常者1.6±0.8%、放射線治療前2.9±1.8%、治療後3.7±2.5%であった。
3)Tc1細胞の割合は、健常者60.0±16.9%、放射線治療前63.7±19.0%、治療後74.2±14.5%であった。
4)Tc2細胞の割合は、健常者1.4±1.1%、放射線治療前2.0±2.4%、治療後2.4±2.8%であった。
5)Th1細胞数は、健常者170.8±75.2(/μl)、放射線治療前226.7±127.0(/μl)、治療後121.3±78.6(/μl)であった。
6)Th2細胞数は、健常者12.1±5.4(/μl)、放射線治療前21.0±13.4(/μl)、治療後8.0±3.1(/μl)であった。
7)Tc1細胞数は、健常者209.1±161.1(/μl)、放射線治療前266.5±204.1(/μl)、治療後167.1±96.9(/μl)であった。
8)Tc2細胞数は、健常者3.4±2.6(/μl)、放射線治療前7.5±3.9(/μl)、治療後3.7±3.1(/μl)であった。
5.考察
放射線治療後は、各Th、Tc細胞の割合は高値を示す傾向を示した。これらは、IFN-γやIL-4を発現していないTh0細胞やTc0細胞の障害が大きいことを示唆しており、従来から報告されている未感作T細胞が放射線による影響を感作T細胞より受けやすいことからも要因の1つとして考えられる。
一方、細胞数は低値を示す傾向を示した。この原因の1つとして、放射線治療によるリンパ球への障害が挙げられるが、化学療法による副作用も関連していることから、複雑であることが考えられる。
以上より、本研究は、放射線と化学療法による併用療法のため、今後は、化学療法などの文献的考察を加えて、考察していく予定である。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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