ヒト組み換え骨シアロタンパク質の生化学的特性の解析 昨年度の研究で、我々はバキュロウイルス発現システムを用いて、組み換えヒト骨シアロタンパク質(rhBSP)をSf9細胞内で65kDaおよび60kDaの分子量サイズで発現することに成功した。またcobalt affinity chromatographyを用いて、その精製に成功した。そこで今年度は、rhBSPの生理活性を調べる目的で、ウシ歯小嚢由来前駆体細胞(Bovine Dental Follicle Cells ; BDFC)に対する細胞接着活性を測定した。 実験方法はrhBSPをコートした96-multi well plateに、[S^<35>]methionineでラベルした2×10^4個のBDFCを播種し、37℃で1時間インキュベートを行った。接着した細胞数は、細胞を0.1%SDSで可溶化したのちに液体シンチレーションカウンターを用いて測定した。その結果、rhBSPは、BDFCに対して有意に細胞接着活性を有することが認められた。以上の結果より、本システムは生理活性を有するrhBSPを発現させるのに有用である可能性が示唆された。 しかしながら、本システムでは、創薬を主眼とした場合にタンパクの発現量に問題を残しており、現在より高い収量を得ることを目的として、in vitro translation systemおよびタンパク高発現型昆虫細胞および改良型ベクターを用いた実験を立案中である。
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