• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

咬合機能による交感神経系への反射性調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12771172
研究機関新潟大学

研究代表者

池田 圭介  新潟大学, 歯学部, 助手 (30313521)

キーワード副腎交感神経 / 歯根膜機械受容器 / 咀嚼筋筋紡錘 / 咬合 / ラット
研究概要

[目的]咬合機能時に生じる口腔領域の固有感覚である歯根膜,咀嚼筋筋紡錘,および顎関節からの感覚情報が副腎カテコールアミンの分泌調節を行っている交感神経線維の活動に及ぼす影響を調べた.
[方法]実験にはラットを用い,麻酔下で左側副腎を支配する交感神経線維束の遠心性放電活動を導出した.口腔領域への刺激は以下のように行った,1)上顆切歯舌面に対して強さ300gfの持続圧刺激,および2Hzの反復圧刺激を与えた.2)大脳皮質誘発性の咀嚼運動様の周期性顎運動中に,上下切歯間で木片を咬合させた.3)歯根膜からの感覚情報を遮断する目的で,上顎神経および下歯槽神経を両側切断した動物で2)の実験と同様に皮質誘発性の顎運動中に木片を咬合させた.4)皮質誘発性の顎運動中に,筋紡錘からの感覚情報を増加させるために下顎を牽引した.
[結果]1)上顎切歯に圧刺激を行うと副腎交感神経活動は増加した.持続圧刺激による神経活動は有意な増加ではなかったが,反復圧刺激では神経活動は最大で135%となり有意に増加した(P<0.05).2)大脳皮質誘発性の周期性顎運動中に木片を咬合させると,神経活動は圧刺激を行ったときよりも増加し,最大156%の増加率を示した(P<0.05).3)上顎神経および下歯槽神経を切断した動物では,木片を咬合させても交感神経活動に明らかな変化は認められなかった.4)下顎を牽引して筋紡錘からの感覚情報を増加させても,交感神経活動に明らかな変化は認められなかった.
[考察]以上より,歯への機械的刺激は副腎交感神経活動を増加させることが明らかとなった.この副腎交感神経活動の増加は,歯根膜からの感覚情報の増加によるものであり,筋紡錘や顎関節からの感覚情報は関与していなかった.

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi