研究概要 |
口腔由来扁平上皮癌細胞株KA,NA,UE,NI,KO,唾液腺由来腺癌細胞株HSG,HSYにおいて、VEGFの発現をreverse transcription-polymerase chain reaction(RT-PCR)法にて検出した結果、これら腫瘍細胞株において4種類のスプライシングバリアントからなるVEGF-mRNAの発現を認めた。さらに、バキュロウィルス発現系を用いて作製した遺伝子組み換え型VEGF165(rVEGF165)を放射性ヨード標識し結合試験を行った結果、口腔由来扁平上皮癌細胞、唾液腺由来腺癌細胞株において、VEGFの結合部位が認められた。上記の結果からVEGFは口腔癌細胞の増殖・転移における血管新生に関与していることを示唆している。 また、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)の標的酵素であるシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)の発現をRT-PCR法にて検討した結果,口腔由来扁平上皮癌細胞株KA,NA,NI,KO,唾液腺由来腺癌細胞株HSG,HSYにCOX-2mRNAの発現が認められた。しかし、正常ヒトケラチノサイトHKおよび正常顎下腺細胞SMGにはCOX-2mRNAの発現は認められなかっな。現在、日々の臨床において多頻度に使用されるNSAIDsを、口腔扁平上皮癌細胞株および唾液腺由来腺癌細胞株に添加しVEGFmRNAの発現の変化を検討している。
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