1.実験に使用する骨延長スクリューについて検討した結果、12mmと15mmの長さのものを作成し、本格的に使用できる様に専用の周辺器材を発注した。具体的には専用のドリル、タップ、ドライバー等である。スクリューのタップは0.2mmピッチで先端とネジ部の形状が異なっており、スクリューを回転させても骨内に埋入しない構造になっている。スクリューヘッドは従来のミニスクリューと互換性をもたせたものとした。 2.使用する動物はビーグル犬の雄で月齢11ヶ月のものを始めに2頭使用することとし、実験する歯槽部を作成するために、両側前臼歯の抜歯を行った。(10月) 3.現在抜歯部位の治癒を待って実験を開始する予定である。骨きりは可及的のボーンソーを使用する。移動骨片の血流を考慮して骨膜は移動骨片から剥離しないようにし、繊細な骨のみを用いて分割を行うこととする。骨きり範囲は幅が20mm程度で高さは10mm以上とし、歯槽部のほぼ中央で骨きりを垂直に行う。 4.延長の方法は、骨きり後10日間の待機期間の後に、約0.5mm/dayの延長速度で10日間延長を行う。延長終了後は2、4、8、12週でそれぞれ屠殺後に病理組織学的観察を行う。 5.今後は、手術操作を容易にして、簡便に用いることができる手技とするために、移動骨片から骨膜を一度剥離した状態で骨きりを行い仮骨延長が可能であるのかを、実験的に研究をすすめる。さらに仮骨延長部位へのインプラントの応用に関しても調査していく予定である。
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