本研究ではマウスの頬粘膜に化学発癌剤であるdimethylbentz-a-anthrance(DMBA)を用いて癌化するまでの過程について、以前と同様に病理組織学的に検討を加えておりましたが、前癌病変から癌へと移行した時期についての基準について検討不足を認めたため、平成12年度、13年度を通して動物実験にて発癌時期の基準作製のために、より詳細な検討を行った。これは前癌病変というものに対する基準設定をより明確にするために、必要と考え検討を行いました。さらに遺伝子等による解析による基準づくりもあわせて平成13年度に追加して行いました。 免疫組織化学的検討ではデーターの幅がかなり大きかったが、第4週目から変化を認め、ある一定の方向性が見られ、細胞の増殖能も明らかに増加していた。さらにもう少し試料数を増やすことにより、より良好な結果が得られるものと思われた。また、免疫化学的検討では実験の繁雑さからデータ数がのびていないが、第3週後半から第4週にかけて同様な変化が見られた。この免疫化学的検討でも前者同様に試料数を増やすことにより、より良好な結果が得られるものと思われた。臨床からの試料のものでは条件の違いなどから、よりデーターのばらつきが多くなってしまったが、細胞異型が強まるに従い、細胞増殖能が増加しているのは、明らかであった。さらに試料数を増やすことにより、より良好な結果が得られるものと思われた。
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