研究概要 |
本研究は,最近商業ベースで取り組みされている細胞組み込み型マテリアルによる人工組織構築に際して、血行に依存せず短期間で組織工学的に培養が可能なために実現性が高い軟骨に注目し,間歇的な静水圧を利用して任意形状の急速な組織再生を計るシステムを構築することにある。 その母体としては、培養軟骨細胞と綿花状PLLA、同種の血小板より抽出したサイトカインを応用している。再生した軟骨は、強度的にはチタンを骨組みとし、骨組織内に骨化の足場として固定できるように計画している。将来の臨床的意義としては、軟骨の組織親和性および組織内維持能の保持や、彰骨内骨化による骨組織への置換の可能性、チタンを利用した咀嚼機能の回復などが期待される。 平成12年度の研究実績としては、犬の臼歯欠損モデルに対するCT撮影と下顎骨形状のCAD化を行い、STLファイルによる反転鋳型の作成を行った。また、培養軟骨性状確認のために軟骨の組織継代を行った。 平成13年度は、培養軟骨組織の骨格にあたり、欠損部位の固定に利用されるチタン骨組みを様々な形態で切削するために、本年度、講座内に導入されたファナック製高速CNC旋盤とCAMソフト(CAM Works)にてハード面の環境が整い、チタン骨格の成形が可能になった。
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