昨年度に行った食品の分類((1)比較的破断応力が低いけれども粘性率は高いもの、(2)破断応力は(1)と同じだが粘性率は低いもの、(3)破断応力が大きく、粘性率が高いもの)に基づいて、3種類を被験食品とした。 舌圧の測定にあたっては、測定部位を口蓋の最深部とし、直径1cm、厚さ2mmの圧歪みセンサーを、厚さ3mmの即時重合型レジンで作成した床を用いた。 被験者はこの研究を理解し、同意をした20代の男性5名とした。被験者には実験4週間前から一日5時間以上レジン床を装着してもらい、キャリブレーションを行った。 測定は分類(1)、(2)、(3)の順に行い、一つの食品で5回ずつ行った。測定項目は最大圧、最大陰圧、圧積分値(圧開始から終了までの積分値)とした。解析はパーソナルコンピュータを用いて行った。 結果は、1).最大圧は破断応力が最も大きい被験食品(3)がいずれの被験者でも大きい値を示した。 2).隠圧は被験食品(1)と(2)で比較すると(1)の方が大きい値を示す被験者が多かったが、1名はあまり値に違いは認められなかった。 3).圧積分値は、被験食品によって一定の傾向は認められなかった。 以上の結果から、食品のかたさは舌でも同様に感じることができるが、付着性は個人差が多いのではないかと推察された。
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