研究概要 |
1 G蛋白質Gi/oと共役する7回膜貫通型受容体のリガンド探索法であまり有用なものは報告されていない。そこで、Gi/oと共役するCX3Cケモカイン受容体(CX3CR)とG蛋白質αサブユニット(Gα)との融合蛋白質を用いて、リガンド探索の指標になる細胞応答を探した。CHO細胞に、CX3CR、 CX3CR-Gi2α融合蛋白質、CX3CR-G16α融合蛋白質をそれぞれ単独で発現、又はCX3CRとG16αを共発現させて、CX3CRのリガンド(フラクタルカイン)で刺激し、細胞内Ca^<2+>の上昇、ホルスコリンで上昇させたcAMPの抑制、MAPキナーゼ活性、プロスタグランジンE_2(PGE2)の産生を測定した。その結果、Gi/oと共役する受容体のリガンド探索法として、G16αとの融合蛋白質をCHO細胞に発現させ、細胞内Ca^<2+>又はPGE2産生を測定する方法が有効であることが判明した。このPGE2産生には、イノシトールリン脂質3キナーゼ、Srcキナーゼ、MAPキナーゼ、細胞質ホスホリパーゼA_2、シクロオキシゲナーゼ-2の伝達系、及びGi/oやカルモデュリンキナーゼ等の関与が示唆された。β2アドレナリン受容体(Gs共役)、m1ムスカリン受容体(Gq共役)、m2ムスカリン受容体(Gi/o共役)、ウロテンシンII受容体(Gq共役)についても同様の研究を行っている。 2(1)新規システイニルロイコトリエン受容体をcDNAクローニングした(DDBJに登録:AB041644)。しかし、昨年他のグループより、CysLT2として報告された。(2)ウロテンシンII受容体(AB012210,AB029611)を発現させたCHO細胞の細胞内Ca^<2+>上昇を指標として、別の内在性アゴニストを同定した。
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