新規クロモドメイン蛋白Chromodomain/Ankirin repeat Proteinp(CHANP)p95遺伝子が細胞周期M期において何らかの機能を有する可能性が昨年度の解析から推測された。アデノウイルスの発現系を用いてアンキリンリピートを欠損させたp95をラット肝細胞ARLJ301-3に過剰発現させたところPI染色後のフローサイトメトリー解析でM期の延長を認めドミナントネガティブ効果と考えられたが、p95の完全長を過剰発現させても現在のところ明らかな変化は認められていない。さらに細胞のgrowthやアポトーシスに関する解析ではコントロールと有意な差を認めていない。Vitroにおける解析としてアフリカツメガエル卵mitotic extractにsperm DNA及び蛍光ラベルのウシチュブリンを加えDNAの凝集と紡錘体の形成を誘導、この系に完全長もしくはドミナントネガティブのリコンビナント蛋白を加えその影響をみた。リコンビナント蛋白は大腸菌における発現系で非可溶性の蛋白となったため、バキュロウイルスの発現系でヒスチジンタグとの融合蛋白として発現させた。ニッケルカラムで精製後5ug/mlの濃度で反応液に加えたところ。予想どおりドミナントネガティブ種で紡錘体の形成が抑制される傾向があった。有意な結果を得るためさらに高濃度で解析中である。CHANPの発現様式が細胞周期に依存するかどうかHela細胞の細胞周期を同期化させ解析したところ、CHANPはすべての周期で一定の発現を示した。M期に特異的な機能を示す可能性があると考え、現在そのリン酸化についても解析中である。
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