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2001 年度 実績報告書

NOによる血管新生の促進とその機構 〜転写因子ETS-1の関与〜

研究課題

研究課題/領域番号 12771467
研究機関昭和大学

研究代表者

清水 俊一  昭和大学, 薬学部, 助教授 (60196516)

キーワード血管新生 / 一酸化窒素 / ETS-1 / ウシ大動脈内皮細胞
研究概要

一酸化窒素(NO)が血管新生を促進するか否かについて、ウシ大動脈より調製した培養内皮細胞を用いて検討した。血管新生はコラーゲンゲル上で内皮細胞を培養し、形成されたチューブ様構造の長さを測定することにより定量した。NO供与剤であるS-nitroso-N-acetyl-D,L-penicillamine(SNAP)の添加により、通常認められる敷石状構造が消失し、チューブ様構造の形成が認められた。チューブ様構造の形成は、コラーゲンゲル中で起こるため、その形成にはコラーゲンゲルの分解が必須である。ETS-1は、コラゲナーゼやストロメライシンなどの蛋白分解酵素の発現を促進する転写因子であることが示されている。そこで、SNAP添加によるets-1 mRNAの発現変化をノーザンブロット解析により検討した。その結果、ets-1mRNAの発現は、SNAP添加2〜3時間後をピークとし、また、濃度依存的に促進された。NOによる血管新生促進におけるETS-1の役割について、ets-1アンチセンスオリゴを用いて検討したところ、ets-1アンチセンスオリゴはSNAPによる血管新生の促進を抑制した。また、8-bromo-cGMPの添加は、ets-1 mRNAの発現を促進し、NOによるets-1 mRNA発現の促進は、G-kinaseの阻害剤により抑制された。
以上の結果より、NOはウシ大動脈内皮細胞による血管新生を促進することが明らかとなった。また、その機構には、NOによるcGMPの増加およびG-kinaseの活性化を介したETS-1発現促進の関与が示唆された。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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