我々はすでに、クロトリマゾールおよびその関連誘導体がラット肝チトクロームP450(P450)を強力に誘導することを報告している。一方、ケトコナゾールやイトラコナゾールなどは種々の医薬品と薬物相互作用を惹起することが知られており、薬物治療上、それを回避することは重要である。しかしこれまでの研究からは、医薬品の化学構造面という観点から薬物相互作用を予測し、それを実験的に証明した報告は見当たらない。そこでこれまでの我々の研究成果を踏まえ、以下の研究を行った。 平成13年度研究課題項目 ・イミダゾール系医薬品および関連誘導体によるラット肝チトクロームP450(P450)誘導作用 ・クリンバゾールによるP450および薬物代謝酵素の誘導作用 代表的な各アゾール系抗真菌剤によるP450誘導作用を検討した結果、クロトリマゾールとクリンバゾールが最も強力な誘導作用を示した。そこでクリンバゾールに着目し、ラットの系統差について同様に検討を行った結果、顕著な系統差を見いだした。 以上の結果は、別途記載通り、3報にまとめて成果を公表した。
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