研究概要 |
1.国内での研究 2000年8月,厚生省「慢性疾患児家族宿泊施設の整備事業」の補助を受けている病院の小児病棟(混合病棟を含む)35病棟を対象として,郵送法による質問紙調査を実施した.29病棟からの回答を分析した結果,患児と同一室内で24時間生活を共にする家族の付き添いを原則不可とする病院が多かった(75.9%)が,付き添いがついている患児の割合(平均46.2%)から考えると付き添いが許可されている現状が明らかになった.このうち13病棟から新しく開発したFFFS日本語版Iを使用した調査への参加の許可を得た. 一方で,全国の研究者にFFFS日本語版Iの配布・普及を進めており,約50名がこれを使用した調査を実施中である. 2.アメリカ合衆国での研究 アメリカ合衆国のJ病院,M病院,N病院などを訪問,病棟研修を行い,家族看護の実践の現状を実地調査した.病棟内で家族看護を実践する立場の看護婦・士(Family Nurseとよばれる)が配属されて活動しており,質の高い家族看護の実践が明らかになった.また,病院付属の家族宿泊施設が整備されており,付き添いを行う家族への配慮が十分に行われていることがわかった.現在,FFFS原版を使用した調査の審査を受けている. また,パソコン上でFFFS(日本語版Iおよび原版)に回答できるシステムをJavaによるプログラミングで開発した.これにより,回答者は容易に答えることができ,集計も同時にパソコンでできるようになった.また,Internetを介してアメリカ合衆国などの遠隔地からでも回答でき,その利用範囲が拡大できた.
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