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2000 年度 実績報告書

創傷環境を整える看護ケアのための褥瘡部貼付型ずれ測定センサーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 12771487
研究機関金沢大学

研究代表者

大桑 麻由美  金沢大学, 医学部, 助手 (30303291)

キーワード褥瘡 / ずれ
研究概要

褥瘡部貼付型ずれ測定センサーの試作
構造:垂直荷重とずれを同時に検出するセンサーを考案。垂直荷重を貼付型局所圧測定センサーで、ずれを歪ゲージで検出する。貼付型局所圧測定センサーは、直接測定部位に貼付でき、かつ低圧も測定可能な感圧センサーである。歪ゲージは抵抗線ゲージ部分の伸縮によって出力が変化する特性をもち、ずれを表すパラメーターとして採択した。貼付型局所圧測定センサーは経時的なデータの取り込みも可能であり、その性能を利用し測定をリアルタイムに実施する。試作センサー部はディスポーザブルである。理論計算上は、ずれの検出は可能であり、水平2方向(ずれ)から負荷した場合も出力される測定値に矛盾はない。
試作直接皮膚貼付型ずれ測定センサーを用いての測定
対象・方法:健康成人1名。対象の臀部に試作センサーを貼付しギャッチアップ時の出力を検討。
結果:1.試作センサーずれの検出;ギャッチアップに伴い漸増し、ギャッチダウンに従い漸減した。しかし、ずれが生じていない状況、すなわちギャッチアップをしない仰臥位時においても反応した。この原因は、荷重のみが加わった場合でも歪ゲージに伸縮が生じ何らかの値を出力するためである。また、歪ゲージへの垂直荷重の影響を相関式によって求め差し引く際にも、皮膚の伸縮が縦横では異なる事が影響し、ずれの力の分離はできないという試作センサーの構造上の欠点が判明した。2.ずれを測定する他のパラメーターの検索;水平2軸の力(ずれ)を分離して表すセンサーは、ロボット工学分野で存在した。しかし検出範囲の大きさや材質面で人体への応用は難しい。
今後の展望:試作センサーを用いたずれの測定値に妥当性は低く、既存のセンサーを応用して、ずれを定量的に明らかにすることも困難であるといえた。まず臨床においてギャッチアップ時のずれとはどのような現象を指すかを探求し、定性的に明確にしたい。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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