保健婦による地区組織化活動の実態を明らかにするため、今年度は以下の内容に重点をおいて取り組んだ。 1.文献分析:保健婦による地区組織化活動の取り組みに関する実践報告から近年のこの活動への取り組みの傾向および活動実態を分析した。また、あわせて近年の地区組織化活動に関する研究者による研究的な取り組みの動向についても情報収集及び分析を行い、取り組むべき課題の焦点を明らかにした。 2.活動実態の情報収集:現在の保健所および保健センターにおける地区組織化活動の実践状況における具体的な課題を明確にするため、数箇所の保健婦に面接による調査を行った。現在まだ情報収集・分析の途中の段階であるが、いずれの組織においてもこれらの活動の必要性を保健婦における重要な活動の位置付けとして認識するが、組織化への取り組みやそのプロセスの段階で行き詰まりが多いことが浮かび上がってきた。また地域保健法の制定後、保健所・保健センター間での地区組織活動の取り組みが、今後どのように連携・調整を図りながら取り組んでいくのかが試行錯誤にある実態についても明らかになった。 3.全国調査の検討:保健所法改正後の過渡期を経た保健所および保健センターにおける全国規摸の実態把握および活動の指標化に向けた取り組みを明らかにする目的で、上記結果を踏まえた調査を実施し地区組織活動の指標化への方向性を抽出するため、現在調査表の作成段階にある。 次年度はこれらのデータの分析をまとめ、地域看護関連学会などにおいて報告していく。
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