本研究の目的は1)変化の少ないケースに対する標準診療・看護過程原案の作成、2)患者のQOLと満足度の自記式質問紙による調査と患者記録からの調査による患者の満足の行く治療プログラムに対する実態調査、3)治療プログラムや診療・ケアの違いが患者の満足度にどのように影響しているかの実態を明らかにしクリティカルパスの原案を作成することであった。 今年度は入院中の精神科患者に対する質問紙調査のプレテストを行ったが、質問紙が十分とはいえなかったため、本調査は今後行う予定である。 また、クリティカル・パスの原案として、協力が得られ変化が少なく標準とできそうな患者の標準看護計画を立案し、利用可能かどうかのテストとして、作成した看護計画の実施評価を指導したが、病院によって看護計画の立案、評価、再計画のシステムが十分にできておらず、具体的な指導からはじめる必要があった。 また、患者の個人差を標準看護計画にどう生かすかなどについて今後の検討を要する。 一方看護記録のしかたに関しても検討を行った。 来年度は今年度の結果を踏まえ、患者への質問紙調査の実施と、施設による治療プログラムの違いがどうQOLに影響しているかを検討し、標準看護計画に取り入れ、クリティカルパスを開発する予定である。
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