本研究では、妊娠・産褥期における女性の骨量の保持と産後の骨量のスムーズな回復のために、望ましい保健指導とは何かを明らかにすることを目的とする。 1.調査対象者:骨密度に影響のある疾患を有しない妊娠初期の妊娠に調査を依頼し了解を得られたもの48名のうち、妊娠期間中に他施設分娩を希望した者、早産した者を除く43名を対象とした。対象者の内訳は、20歳以上30歳未満14名(平均年齢26.0±2.9歳)、30歳以上29名(平均年齢34.0±3.0歳、40歳以上1名を含む)、また、初産婦20名(平均年齢31.1±5.7歳)、経産婦23名(平均年齢31.7±3.9歳)であった。 2.調査期間:調査は、妊娠初期(妊娠12週前後)から産後1年の間に計8回にわたり縦断調査を行う。平成12年8月より調査を開始し、平成13年3月現在で調査を実施した者は、妊娠初期(11〜13週)43名、妊娠中期(24〜27週)38名、妊娠末期(36週以降)18名、産後1週以内12名、産後40日4名である。 3.調査内容および方法:調査内容は、超音波骨密度測定器による骨密度測定、採血、採尿、個人の背景や生活習慣などの聞き取り、アンケートによる食事摂取量調査を行った。妊娠中は妊娠健診時に、産後40日は産後健診時に、出産後入院中は対象者に外来に来てもらい調査を行った。 4.調査結果:妊娠各期のスティフネスの平均値は、妊娠初期89.7±11.4、妊娠中期90.5±11.5、妊娠末期92.3±10.6であったが、詳細は現在分析中である。また、妊娠末期の一部と産褥期については現在調査中である。
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