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2001 年度 実績報告書

焼畑農耕社会の定住化に伴う社会経済変化と熱帯森林環境変化の相互関係に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12780055
研究機関九州大学

研究代表者

佐藤 廉也  九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 助教授 (20293938)

キーワードアフリカ / エチオピア / 焼畑 / 定住化 / 集住化 / 環境利用 / 熱帯林 / 土地利用変化
研究概要

研究最終年度にあたる平成13年度は、前年度の研究において得られた基礎的分析枠組みを用いて、研究対象の空間スケールを広げてメソスケール(郡レベル)からの把握を試みるとともに、環境条件の異なる地域の比較分析をおこなった。具体的手順は以下のとおりである。
1.GISツールを用いて、対象地域における5万分の1地形図を、UTM座標に準拠してベースマップ化した。
2.1960年代から現在にいたる様々な時期の、利用可能な空中写真、リモートセンシング画像を適切な幾何補正をおこなった後にGIS上にフォーマットし、空間データを時系列上に整理した。
3.さらに、集落別人口データ、市場の分布、各時期における森林域の植生分類をGIS上でおこない、時空間上の分析をおこなう準備をととのえた。
4.60年代から現在までの、焼畑分布、集落分布、サバンナと森林の境界の動態、市場の拡大過程を定量的に明らかにし、さらに現在の各集落人口、市場距離、植生分布、焼畑土地利用規模について相関関係を分析した。
以上の手続きによる分析の結果、対象地域の土地利用と森林環境の変化を促す要因について、いくつかの傾向性が認められた。とくに、定住化の前後で、市場に近接する集落とアクセスの困難な集落の間で、焼畑土地利用のパターンに顕著な変化が認められ、それが森林環境にも影響していることが明らかになった。また、研究全体を通して、GISツールを利用して焼畑土地利用を時系列に沿って分析することの有効性を示すことができた。
これらの研究成果については、学会発表、論文、著書の形で公表をおこなった。また、本研究の分析手法は他地域においても応用可能であるとの見通しが得られたため、今後は同様の手法によって熱帯諸地域における比較研究をおこなう計画を立案する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 佐藤廉也: "エチオピアの森林焼畑農耕にみる環境・技術・社会-集落移動史の復原から-"雑穀研究(近刊). 15. (2002)

  • [文献書誌] 佐藤廉也: "エチオピアの森と焼畑"Museum Kyushu(近刊). 70. (2002)

  • [文献書誌] 佐藤廉也: "地方分権体制のエチオピアと辺境の民族-州境をめぐる紛争とある開発プロジェクトの崩壊-"アフリカレポート. 30. 12-15 (2000)

  • [文献書誌] Sato, Ren'ya: "Evangelical Christianity and Ethnic Consciousness in Majangir. In James, w. et al. (eds) Remapping Ethiopia. (in press)"James Currey (Oxford). (2002)

  • [文献書誌] 八田洋章, 佐藤廉也: "「エチオピアの熱帯林における焼畑火入れ後の植生回復-遷移初期におけるキク科Vernonia属4種のかかわり-」石弘之(他)編『地球環境乱下における生物多様性の保全および生命情報の維持管理に関する総合基礎研究』"東京大学. 211 (2000)

  • [文献書誌] 佐藤廉也: "「焼かない焼畑-西南エチオピアの可塑的な焼畑技術-」福井勝義編『焼畑再考』(印刷中)"昭和堂. (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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