昨年度、ゲル化剤として寒天を用い、トレハロース添加、無添加およびグリセリン添加、無添加ゲルの冷凍耐性について検討した。 今年度は寒天との比較として、極性のあるゲル化剤であるジェランガムを用い、ジェランガムゲルの冷凍前と、冷凍・解凍後のゲルの力学特性および離しょう率について検討した。 冷凍・解凍ゲルは-25℃のフリーザーに24時間放置後、凍結させた試料を10℃の恒温器中で6時間放置して調製した。 東洋精機(株)のレオログラフゲルを用い、貯蔵弾性率を求めた。1.2%(w/w)ジェランガムゲルは、トレハロースの添加量が増加すると貯蔵弾性率は増加し、冷凍・解凍後のゲルにおいて貯蔵弾性率に有意差は認められなかった。1.5%(w/w)ジェランガムゲルでは、トレハロース添加量の増加に伴い貯蔵弾性率は増加し、いずれのトレハロース濃度においても冷凍前のゲルの方が、冷凍・解凍後のゲルより貯蔵弾性率は高かった。 グリセリン添加ゲルは、1.2%(w/w)ジェランガムゲルは、グリセリン添加量の少ないゲルでは、冷凍・解凍後のゲルが冷凍前のゲルより高い貯蔵弾性率を示し、グリセリン添加量が高いゲルでは、冷凍前のゲルが、冷凍・解凍ゲルより高い貯蔵弾性率となった。1.5%(w/w)ジェランガムゲルではトレハロース1.5%(w/w)添加ゲルと同様に、グリセリン添加量の増加に伴い貯蔵弾性率は増加し、冷凍・解凍により貯蔵弾性率は低下した。 トレハロース、グリセリンいずれの添加においてもジェランガムゲルの離しょうは抑制された。
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