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2000 年度 実績報告書

海藻由来抗凝固多糖類の多機能性食品素材としての応用性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12780096
研究機関岡山県立大学

研究代表者

松原 主典  岡山県立大学, 保健福祉学部・栄養学科, 助手 (90254565)

キーワード抗凝固活性 / 緑藻 / Codium cylindricum / ガラクタン / 酸性多糖類 / ヘパリノイド / 機能性食品素材
研究概要

本研究では、海藻多糖類の生物活性のうち疾病と関連するものに焦点を絞り検討を行う。本年度は、心筋梗塞や脳硬塞の原因となる血栓症に有効な新規抗凝固多糖類をスクリーニング後、精製し、その詳細な性状について検討した。
1)新規抗凝固多糖のスクリーニング、精製及び生化学的性状
海藻の抗凝固多糖類については褐藻と紅藻が主に研究材料として扱われてきた為、緑藻類はあまり研究されてこなかった。そこで、緑藻類を中心に抗凝固活性をスクリーニングした結果、緑藻ナガミルに強い活性を見い出したので精製を行った。まず、凍結乾燥藻体に蒸留水を加え撹拌抽出後、エタノール沈澱を行った。次いで、DEAEイオン交換クロマトグラフィー、HPLCによるゲルろ過により精製した。得られた活性画分はアセテートセルロース膜電気泳動で単一のスポットを示し高度に精製されていることが分かった。本精製画分を以後の実験に用いた。
本抗凝固多糖画分の化学組成を分析した結果、構成糖はガラクトースとグルコースから成り、そのモル比は約9:1であった。このような抗凝固多糖は今までに報告が無く、新規抗凝固多糖である。また、硫酸基が13.1%、タンパク質が7.8%含まれていた。
2)抗凝固活性
本ガラクタンは1.5μg/mlでも抗凝固活性を示したが、ヘパリンほど高い活性を示さなかった。また、アンチトロンビンIIIとヘパリンコファクターIIに対する作用を検討したが、本ガラクタンは両インヒビターを活性化せず、トロンビンとFXaを阻害しなかった。従って、フィブリンの重合を直接阻害し抗凝固活性を示すものと考えられる。
癌の増殖や転移、炎症等多くの疾病の病態悪化に酸性多糖やガレクチンが関与していることが知られている。本抗凝固多糖は硫酸化ガラクタンであり、それらの疾病の悪化抑制にも応用できると考えられる。次年度は、その可能性について詳細に検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Matsubara,K.,Matsuura,Y.,Bacic,A.,Liao,M.L.,Hori,K.,and Miyazawa,K.: "Anticoagulant properties ofs sulfated galactan preparation from a marine green alga, Codium cylindricum."International Journal of Biological Macromolecules. in press. (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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