平成12年度は、理科教育におけるコミュニケーション活動の実態把握と問題点の抽出を中心的に行なった。さらに、有効なコミュニケーション活動を導くための指導・支援方略を検討した。具体的には以下の手順で研究を進めた。 1)実際にコミュニケーション活動が多く取り入れられている小学校の教員を対象にしてアンケート調査を行い、協同学習のレビューから明らかになったコミュニケーション活動の効果への期待を分析し、コミュニケーション活動の意義を探った(研究発表1参照)。 2)実際の教室場面でどのようなコミュニケニション活動が展開されているのかを知るために、小学校の総合的学習の時間で行われるグループ討論の様子を記録し、質的に分析してコミュニケーション活動の実態を探った。 3)教室場面で行われているコミュニケーション活動の問題点を抽出し、コミュニケーション活動改善のための知見を得た。 4)どのような指導・支援方略により相互作用・交渉が促進されるのかを実証するために、実験的環境において教育学部と理学部の大学生を被験者にして、協同学習のトピックや役割分担が相互作用・交渉や学習内容の理解にどのような影響を及ぼすのか検討した。 5)実験的環境において得られた知見と個別学習指導で成果をあげたメタ認知的方略をもとに、コミュニケーション活動で相互作用・交渉や学習内容の理解を促進する指導・支援方略を検討した(研究発表2参照)。
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